稲門進学ゼミナールの歴史

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稲門進学ゼミナールは、前塾長・山本孝之が1965年に創業した進学指導塾です。

昨年まで現役で指導に当たっていた山本が、ここに、50年以上の塾の歴史を語ります。

50年の試行錯誤で得た、本当に価値のある学びとは? 少し長くなりますが、ぜひご一読ください。

(以下、文・山本孝之×岡田琴里)

山本孝之塾長

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

教育一筋で気がつけば50年以上経っていました。

実を言うと、この50年の間に、私の教育手法はさまざまに変化しています。

その時々にベストと判断した教育法を実践し、「これは違った」「こっちを磨いたほうがいい」と、試行錯誤を繰り返しながら、その時代に合わせた学習法を考えて指導してまいりました。

 

何気なく始めた学習塾

創塾は、1965年、早稲田大学の学生で、友人と二人で学習塾を始めました。
まだこのころは今のように大手塾が立ち並ぶような街並みではありませんでした。
いま有名な大手塾が広がる前から稲門進学ゼミナールは学習塾を運営していたのです。

教育学部(英語英文科)に所属していたこともあり、仕事にするのは「教育関係がいい」と発想はしたものの
ジャーナリストの仕事にも興味をもっていました。
そのため塾を何年もやるなんて、このときは想像もしておりませんでした。

そんな気持ちが無意識的に形になったのか、当時の塾のモットーは「楽しんで学ぶ」というものでした。
「勉強を好きになってほしい」という純粋な思いから「楽しい塾」を目指しました。

今の一部の補習型の塾のようなイメージです。
子供のペースに合わせて楽しく学ぶ。そんなスタイルです。

創業当初は、夏合宿にも出かけました

 

というと、みんな喜んで通ってくれます。
ただし受験期になると、「楽しみ」と「集中」のけじめをつけることがなかなか難しくなっていきます。

どうすればけじめのある教室になるのか・・・試行錯誤する日々が続きました。

厳しい指導への転換期

そんなある日、保護者様とお話をする中で
「子どもは楽しんで通っています。でも、親は不安ですよ…」
「みんな先生のことは大好きなんですが、勉強が進んでいるか心配です…」などなど。

これだけ直球に保護者様の気持ちをきくと、もっと勉強の進捗、進路の情報を発信していくことにも、力を割くことが必要だと考えるようになりました。

そこで、翌日、子どもたちを前に宣言をしました。
「やあ、みんな。先生は決心した!昨日までの面白い塾を辞めることにした!」
えーっ、と子どもたち。
「じゃあ、何をするんですか!?」
と聞く子がいたので、はっきりと明言しました。
「塾なんだから勉強だー!」

——というわけで、指導方針がそれまでと180度変わりました。
実はこのころからちらほらの今の大手塾(厳しめ)の塾が周りにも広がってきていました。
色々な塾のスタイルを勉強し、結果にこだわる塾を目指してきました。

授業では、関係のない話はせず、宿題もたっぷり出す。
成績第一主義の学習指導です。昔はそんな時代もあったんです…。

そして時代の流れに、この方針がマッチして
「あそこの塾に行けば、いい学校に進める」そんな評判が立ち始めました。

当時の授業の様子

実際、春になると合格者を塾の壁にたくさん張り出すことができました。
「早稲田が5人もいる!」「慶應もいるね」
「都立西、都立国立は全部で10人だよ!」

そんな声が窓の外から聞こえてきます。

「一人でも多く良い高校に合格させよう」
「とにかく成績さえ伸びればいい!」と、そんな思いだけで、指導した時期もありました。

そして気が付けば西東京市内に10教室を構えるまでになりました。

塾長たちの勉強会。私・山本が会長をしました。

必要以上な厳しさを除いて、今の稲門進学ゼミナールに受け継がれた
実績を創る「ノウハウ」や「指導スタイル」が磨かれたのは、まさにこの時期のおかげです。

しかし、時代は流れていきます。
厳しくすることで確かに成績は上がり、合格者も増えたのですが、何か虚しさを感じ出したのです。
生徒たちと自分との間に、確固とした絆がないような気がする。
忙しいだけで、大切な何かを見失っていないだろうか……

そんな葛藤が生まれたのです。

再度の方向転換 目指すのは「人間教育」だ

そんな時期に、転機が訪れました。

私自身の大病です。手術で一命は取り留めたものの、体重は激減。忙しさの報いだったと受け止めています。

言い古された言葉ですが、「忙しい」とは、心を亡くすこと。
まさしく当時の私は、塾にとっての結果だけを追い求め、心を失くしたように思います。
いちばん大切な、「児童・生徒たちにとっての成果」をないがしろにしてしまっていたように感じます。

本物の進学指導は、その子に合った学力・校風の学校を見極めその学校に入れるように力を付けて、送り出してあげることです。
学校の学力レベルに対する世間の評価だけで判断するものではありません。
その先の将来まで見据えて、その子と学校の相性がどうかを見てあげることです。

中学受験、高校受験は、人生において、とても重要なイベントです。
でも、決してそれが全てではありません。
その先に大学受験、就職など、子供達にはさまざまな試練の場が待っています。

その試練に立ち向かうとき、自信をもって取り組んで、試行錯誤して乗り越えられる力を付けてあげること。
勉強にはそんな要素も含まれていると感じるようになりました。

そしてたどり着いたのは「成績を上げるだけではなく、人間力も成長する塾」を目指すこと、でした。

トーゼミが大事にしていること

その方針を手にしたとき、私の心は、それまでの葛藤が消え、ぱーっと明るくなりました。やるべきことが明確に見えたのです。

大手でない、個人塾だからできるきめ細やかな指導で、生徒一人一人のことをしっかりとを見てあげられる教室です。

旧校舎(最寄り:保谷駅)

 

勉強だけが「全て」ではない

このような50年を経験してきた私は、実をいうと「勉強が全てではない」と考えています。

これまでの7000人を超える塾生の中には、大学卒業後に独立し、中小企業の社長になって活躍している子もいます。
そんな人がみんな成績の良い子というわけではありません。
「あいつがこんなふうになるのか」と驚いと嬉しさでいっぱいです。

一方では、有名大学に進学し、一流企業に勤めて、グローバルに生き生きと働いている人、仕事をしながらも、何がやりたいのかを模索している人、と様々です。

成績だけを追い求めると、自分が何をやりたいのか、自分には何が向いているのか、を見失う恐れがあります。
大切なのは、自分のことを本当に深く知ることです。
稲門進学ゼミナールでの勉強を通してたくさん自分と向き合ってください。

そして誰でも可能性は無限大です。

しかし
いつ、どこで、どんな「やりたい」に出会うかはわかりませんよね。
基礎学力がないとやりたくでもできない現実もあります。
なので早めの準備はやっぱり大切です。

勉強は、迷った時が始めどき。

そして…2022年より

こんな私の歴史と思いを引き継いで発展させてくれる後継者に出会いました。

・一人一人に合わせたオーダーメイドカリキュラム

・きめ細やかな面倒見

を軸に「成績もあげて成長もする」塾を2022年度より岡田新塾長が実現していきます。

田無駅周辺に移転してさらに発展してまいりますので、ご支援の程よろしくお願い致します。

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