50年超の歴史がある稲門進学ゼミナールには、7000人を超える“先輩”たちがいます。そんな先輩たちの中から、数名の生徒のエピソードをご紹介します。
「どんな指導をしているんだ?」 お父さんも驚きの変化【前塾長談】
母親に連れられて当塾に来たのは、中学2年生のときでした。
おとなしいタイプで、成績は平均くらいで、特に目標があったわけでもなく、日々の授業をコツコツとこなしていました。
様子を見ながら都立の中堅~上位校に進めたらいいかな?という思いで指導をしていました。
今思い出しても、何か特別な指導をした記憶はありませんが、勉強をコツコツ行っていったことで、あるテストで、急激に成績が伸びたのです。
この経験が彼に自信を与えました。
日々の積み重ねが力となり結果が出ることで自信がつき、それ以降塾の授業でも、臨む姿勢に変化が出てきました。
「スイッチが入った」のです。
子供自身が意欲的に取り組んでくれるようになるとあとはスルスルと成績が伸びていきます。
おっ、これは都立トップ校がねらえるぞ…。そんな期待を持ち始めた中3の夏の終わりのことです。
何の連絡もなく、突然お父さまが塾長の山本を訪ねてきました。
開口一番、お父さんが口にしたのは私たちが思いもしない一言です。
「どんな指導をしているんですか?」
「息子が勉強ばかりするんです!こんな子ではなかったのですが、すっかり人が変わってしまって、私がいくら誘っても遊んでくれません…。」
うそのような本当の話です。(笑)それでも勉強に夢中になった彼はもう止まりません。
最終的に名門校の早稲田大学高等学院に合格しました。🌸
ときに子どもたちは、親でさえ、信じられないような成長や熱意を見せることがあります。
この生徒はその典型的な例です。
私たちはいつも、「子どもに教えるのではなく分からせる。そしてやる気に火を着けるのが講師の役割です」と肝に銘じて指導に当たっています。
暗記が苦手な生徒。得意の理数で都立トップ校を突破!【前塾長談】
生徒は個性豊かでさまざまです。勉強が苦手な生徒の中には、特にこの作業が苦手・・・という生徒もいます。
その生徒のわかりやすい!理解しやすい!を見つけてあげることも塾の役割だと考えています。
そして今回は得意科目を生かした入試のお話です。
ある中3の生徒です。
理数系の成績は抜群にいい。教えなくてもできるくらいで計算も早くて正確です。
一方で、文系科目は大の苦手…。
特に社会の用語の暗記や漢字、単語など語句の暗記に時間がかかりました。
入試まで1年をきっています。
もちろん入試で文系を捨てるというわけにはいきません。
理数系で挽回できるにしても、せめて文系を平均点レベルまでは引き上げたい。
猛特訓の日々が始まります。
声に出して音で暗記する、何度も同じビジュアルで暗記するなど、授業内で様々な工夫を行いました。
そして迎えた都立高校の合格発表日。
まだかまだかと教室で待っていると、ようやく彼が訪ねてきてくれました。
「どうだった?」
「うまく行きました。」本人が一番びっくりしています。
「そうか。良かったな。自分の番号があるのを見たとき、どう思った?」
重ねて聞くと、彼はぽつりとこう言いました。「お母さんと二人で泣きました」
その瞬間、私たちもつられて泣きそうになったものです。
そうか、泣いたのか、お前が……。
山本塾長が、涙を目に浮かべながら、表情を崩しています。まさに嬉し泣きですね。
そんな彼は、その後、法政大学工学部に進み、コンピュータのプログラム関係を学んでいます。
どんな子にも可能性がある。そんなことを身を持って教えてくれた生徒でした。
実は現塾長、岡田も同じような経験があり、暗記・文系科目が苦手な生徒に対して「本人のわかりやすい」を模索して、カリキュラムや指導方法を工夫し、第1志望校に合格させた経験がありました。
2人の塾長が目指すものは出会う前から似ていたとお互いが感じたエピソードでした。
高3生が自分のやりたいこと見つけました♪【現塾長談】
高校2年生の秋のことです。
都立高校に進学したものの高校生活がなんとなく過ぎて成績もそこまでよくない…ということで私の塾に一人の高校生が入塾してきました。
「これから受験生になるけどどうしていきたい?」
「やりたいことは特にないので大学っていうより就職します。」と淡々と答える生徒でした。
大学進学に向けた情報収集は子供からすると莫大な情報量です。
また、現在通っている高校の雰囲気も子供たちの進学に対する意識や考え方に大きく影響します。
行きたい大学を見つけるための方法がわからない…周りもまだ特に受験勉強していないし…という生徒にもたくさん出会います。
日頃たくさん携帯を使う現代の子供たちもこの時は情報収集力が落ちますよね(笑)
受験期は、上手に携帯を利用して、検索能力を高めて、正しい情報を仕入れて、知らない世界を調べてみて「自分のスキ」を見つけてほしいと思います。
ということで、何も知らない彼女とまずはたくさん調べる作業を行いました。
・大学に行くとどんな学校生活になるのか
・どんな学部があるのか
・そこからどんな進路があるのか
・受験の仕組みはどうなっているのか
・受験勉強はどのくらいしなければいけないか
何かを判断するときに人は知ること(情報を入れること)をしなければ想像での判断になってしまいます。想像だけで判断して、あとから後悔のないように。と一緒にたくさん考えました。
自分は何が好きなんだろう?
卒業した後に何がしたいんだろう?
その選択をして頑張れるだろうか?
顔には出しませんが一番葛藤していたのは本人だったと思います。
そしてある日、答えが出ました。3者面談で「やっぱり大学にいかせてください。」とお母さんと私にすっきりした顔で伝えてくれました。
たくさんの学部を見たことで分子生物学に興味がわいてきたそうでした。
さぁ、目標がきまると勉強ははかどります。
でも、今まで身に着けてこなかった学習習慣をつけることは、簡単なものではなく、もちろん、いい時期、悪い時期がありました。
それでも日々受験に向き合い、自分で決めた自分の進路は少しも揺らぎません。
大好きだった携帯もゲームも自ら封印し、受験勉強をやり切りました。
「人生で一番、毎日があっという間で充実した日々で、とてつもない解放感です。」と受験後に笑顔で塾に来てくれました。
最終的に入塾時から偏差値を10以上、上げ、見事、国立大学-農学部に上位で合格しました🌸
そして何より、お母さまも私も気が付かないうちに、受験を通して一回りも二回りも大人になっていました。
受験という大事な分岐点では人との出会い、取り巻く環境がとても大切な要素になります。
一生懸命、受験に向き合って、行動していくことで子供は本当に成長をしていきます。
これからも多くの子供たちの選択肢を増やすことができる教室を目指してまいります。